墓所の虫

.    「新版 量子論の基礎」と「量子情報と時空の物理」をベースに書いていますが、間違いをよくやります。まず眉にツバをつけてw

ブログの紹介 (主な記事、Webサービス)

大学教育は危機に瀕しています! 


私は言葉の使い方が下手なので、おかしいと思う文章は式に合わせてお読み下さい。
尚、新理論や独自理論を唱えるつもりはありませんが、アイデアの提案はしています。


宇宙際タイヒミューラー(IUTeich)理論をちょっと齧る

詳しくは 、望月新一先生の文献を見て下さい https://www.kurims.kyoto-u.ac.jp/~motizuki/Uchuusai%20Taihimyuuraa%20riron%20he%20no%20izanai%20(lecture%20note%20ban).pdf 以下はブログ 年頭所感 2020 | 新一の「心の一票」 - 楽天ブログ 2022年4月のNH…

量子もつれ系の部分系が「混合状態」であることの証明

簡単のために、2個の電子(A,B)のスピンの↑・↓の状態を考え、 |A>=a1 |↑A> + a2 |↓A> |B>=b1 |↑B> + b2 |↓B> とします。 状態|A>と|B>のあらゆるケースを含む状態を表わすのは、テンソル積: |A>|B>=(a1 |↑A> + a2 |↓A>) (b1 |↑B> + b2 |↓B>) =a1b1 |↑A…

位置表示のシュレーディンガ方程式を導く(補題A)

補題A: 状態ベクトルのシュレーディンガ方程式: d/dt |ψ(t)> = -a H |ψ(t)> (aは定数) が成り立つというのは、公理とします。 まず、状態ベクトルから波動関数を導きます。 |ψ(t)> を演算子xの固有空間へ射影することを考えます。 この射影演算子は|x><x| です。 |x></x|>…

状態ベクトルよりシュレーディンガ方程式を導く

タネ本は サスキンド「物理学再入門 量子力学」 のp99~101 です。 系の時間発展をシュレーディンガ描像で |ψ(t')> = U(t') | ψ(t)> とする。 ここで、U(t)† U(t) = U(t')† U(t') =1 U(t')が系のエネルギー演算子Hを用いて U(t') =(1- ε a H) と書…

試験問題(遊びです)

ほんの遊びです。逆に私の解答を採点して頂ければうれしいです。 1.2つの近接したスリットを光子が通って、スクリーンに干渉縞を作る実験で、 1-1 光子が1個づつなら干渉縞は、できない 干渉縞は、粒子の相互作用(衝突とか)によって作られる 1-2…

ハミルトニアンの曖昧性(ワイル順序)

古典ハミルトニアンから量子力学のハミルトニアン を 一意に定めることは、一般にはできない旨、 清水明「新版 量子論の基礎」にあります。 例えば、古典的物理量に 2q2p2 という項があった場合 そのままでは自己共役演算子でないので、 qp2q^+pq2p^ として…

演算子の関数

時間発展の演算子:U(t)=exp(H t/ih’) ですが、 これは「ハミルトニアン演算子の関数」です。 この記事では、演算子の関数について書きます。 (演算子の関数では、例えば、微分演算子の√とかも考えることができます) タネ本は、清水明「新版 量子論の基礎…

ファインマン核とグリーン関数の関係

森藤正人「量子波のダイナミクス」p15 に t>0 と約束すれば、ファインマン核とグリーン関数は同じものとあります。 ファインマン核Fは、以下で定義されます。 グリーン関数Gは、ファインマン核をFとすると、 注: Θはヘビサイド関数 で定義され、t=t0以…

ファインマン核Kの固有関数での展開

ファインマン核Kの計算は、 です。 Kによって、任意時刻tのψ(x,t)が計算できるのですが 多重積分を計算しなければならず、たいへんです。 ハミルトニアンの固有関数がわかっていれば、 それを用いて Kを表すことができます。 そうすれば、計算の手間…

具体例(δ関数波束の崩壊)

1次元の自由粒子(δ関数の崩壊) 自由粒子において、初期の波動関数をδ(x0)つまり、原点に局在していたとすると、 δ関数の定義より(結果は、ファインマン核そのものです) ここで、1/i =e-πi/2 したがって、(1/i)1/2 =e-πi/4 i があるのでガウシアンじ…

具体例(自由粒子)

1次元の自由粒子(平面波) タネ本は、森藤正人「量子波のダイナミクス」p23ですが 積分の途中計算が載ってないので 途中計算は、前野先生のhttps://www.phys.u-ryukyu.ac.jp/~maeno/field.pdf のp35を見て下さい。 結果は、ファインマン核K(x、t、x0…

5.ついにファインマン経路積分

前回導出したのは、ハミルトニアン経路積分です。 今回は、それをさらに変形して ラグランジュアン経路積分(ファインマン経路積分ともいう)を導きます。 変形というのは、簡単に言えば、 前回で、pnでの積分は、完全平方にすれば実行できるので、そうや…

4.経路積分 もう少しです

ファインマン核の経路積分表現を導出します。 タネ本は、森藤正人「量子波のダイナミクス」です。 内容は、とね日記さん: http://blog.goo.ne.jp/ktonegaw/e/20dea8ac600f55f0c79934c6342e8c5c を見てください。 ここでは、前々回の結果: を、|x>での完…

3.経路積分 突撃開始!

ファインマン核の経路積分表現を導出します。 タネ本は、森藤正人「量子波のダイナミクス」です。 内容は、とね日記さん: http://blog.goo.ne.jp/ktonegaw/e/20dea8ac600f55f0c79934c6342e8c5c を見てください。 1.まず、Hが時間に依存しない場合、時間発…

2.ファインマン核の定義

今日は、ファインマン核 です。 タネ本は、森藤正人「量子波のダイナミクス」です。 内容は、とね日記さん: http://blog.goo.ne.jp/ktonegaw/e/20dea8ac600f55f0c79934c6342e8c5c を見てください。 1.ファインマン核 熱核(熱積分核)は、 時刻tでの粒子…

1.経路積分こと始め

タネ本は、森藤正人「量子波のダイナミクス」です。 内容は、とね日記さん: http://blog.goo.ne.jp/ktonegaw/e/20dea8ac600f55f0c79934c6342e8c5c を見てください。 拡散方程式と(自由粒子の)シュレーディンガ方程式の類似性 拡散方程式の「両端の温度が…

距離空間の定義とユークリッド空間

距離空間と距離関数 集合X(ベクトル空間でもよい)において、x、y、z∈X とすると どのようなx、yにも負でない写像ρ(x、y)が対応し、 且つ、 次の条件が成り立つ時、距離空間と呼ぶ。 (1) ρ(x、y)≧0 で、等号は、xとyが同じ元のときに限られる (2) ρ(x、y)=ρ(y…

距離空間の完備化(4)

距離空間の完備化の残り(写像:X→C(X)~) 前回で、C(X)~で定義されるd~は、C(X)~上の距離関数であることが言えました。 したがって、距離空間の定義から、C(X)~は、距離空間です。 X: 距離空間(完備かどうかは言えない)これを完備化した集合を見つけ…

距離空間の完備化(3)

「C(X)/~ の距離をどう定義するか」の証明 C(X)とは、距離空間Xの基本列全体の集合のことです。 この記事は、前回: の「C(X)/~ の距離の定義」が正当であることの証明です。 そのために、 (1) C(X)の2つの元(基本列)、(xn)(yn)に対して n→∞:(ρ(…

距離空間の完備化(2)

C(X)/~ の距離をどう定義するか C(X)とは、距離空間Xの基本列全体の集合のことで、 この記事は、 http://blogs.yahoo.co.jp/kafukanoochan/62700932.html Murakuさんの 問3:このときXの距離ρによりC(X)/~にも自然に距離が定義されることを示せ。 の答え…

距離空間の完備化(1)

例えば、有理数の集合Qにおいて、QxQとユークリッド距離ρを対にした距離空間(QxQ、ρ)とすると、 基本列{x_n}の収束する点が、有理数の組の点とは限りませんので、(QxQ、ρ)は、完備ではありません (1次元(Q、ρ)でもダメです) また、実数の集合Rに…

概 要

波動関数の収縮と情報処理機構である意識 (量子力学における意識のモデル) コペンハーゲン解釈では、測定を行った場合、測定器の段階では 重ね合わせ状態のままで、ヒトの脳内で「意識」が起こす。 波動関数の収縮により、状態が確定するとします。 「意識…

概 要

量子力学的 解析力学/特殊相対論 普通の量子力学の教科書は「古典論を量子化したものが量子論」 としますが、 量子論こそ「正」、古典論は、その近似なので、 量子力学をベースに、解析力学や相対論を考えます。

「知りえない」けど「決まっている」んじゃないの!?

量子力学を学び始めた方で、「重ね合わせ」の説明を聞いて、 1つの粒子が、1度に異なる運動量の値をもてるわけがない=「知りえない」けど「決まっている」 と思ってられる方は多いのでは、ありませんか? しかし、「知りえない」けど「決まっている」場合…

目 次

前世紀の化石とも言うべき昭和生まれの物理学ミーハです。 論文(量子測定系が自己測定を含む場合)を書いてますが 研究者ではありません。 私の考え・主張 カテゴリーの記事一覧 - 墓所の虫 ・公開 Webサービス: [数式処理サイト] WolframAlphaの結果を…

波動関数はシュレーディンガ方程式の解のことではない

波動関数は、シュレーディンガ方程式の解の関数 のことでは、ありません。 波動関数ψ(q, t)は、状態ベクトル|ψ(t)>の|q>への射影: |q><q|ψ(t)> = ψ(q, t) |q> として定義され、 その時間発展が、シュレーディンガ方程式にしたがう という関係です。</q|ψ(t)>

ベルの不等式-計算終(新版 量子論の基礎より)

7.真ん中の地点から「上下のスピンの重ね合わせになっている」 Entangledな電子を飛ばす 簡単にするため離散スペクトルの場合だけ考えます。 ボルンの確率規則より 確率p(a,b)=||a,b><a,b|ψ>|2=<ψ||a><a||b><b|ψ> <A B>=Σ[a,b]abp(a,b)=Σ[a,b]<ψ|a|a><a|b|b><b|ψ> =<ψ|AB^|ψ> こ</b|ψ></a|b|b></b|ψ></a||b></a,b|ψ>…

ベルの不等式-計算1(新版 量子論の基礎より)

清水明「新版 量子論の基礎」§8ベルの不等式 より 1.遠く離れた2地点での実験 測定する物理量は、2値量とし、-1と+1に単位を合わす。 測定器の「設定」を、A地点ではθ B地点ではφ とし、 いろいろ変えて、測定する Aθ=a1,a2,,,,aN Bφ=b1,b2,,,,bN と…

ベルの不等式の破れ-概略(新版 量子論の基礎より)

EPR論文で、アインシュタインらは「量子力学は不完全ではないか?」 との疑念 を提示(というか攻撃)しました。 これは、ベルの定理を経て、アスペの実験で否定的に解決されました。 この「ベルの不等式の破れ」は、その解決以上に 「量子力学は、古典論や…

初版p22 干渉成分の物理量の測定

「量子情報と時空の物理」初版p22の 中段上: 「結果が-に確定している、、、状態に対して O_SDAを測定すれば、確率1/2で固有値 ±1が観測される」 という記述ですが これより「物理量O_SDAを測る測定器」を想定できますが 中段下では「O_SDAという操作」…