墓所の虫

.    「新版 量子論の基礎」と「量子情報と時空の物理」をベースに書いていますが、間違いをよくやります。まず眉にツバをつけてw

ブログの紹介 (主な記事、Webサービス)

大学教育は危機に瀕しています! 


私は言葉の使い方が下手なので、おかしいと思う文章は式に合わせてお読み下さい。
尚、新理論や独自理論を唱えるつもりはありませんが、アイデアの提案はしています。


量子もつれ系の部分系が「混合状態」であることの証明

簡単のために、2個の電子(A,B)のスピンの↑・↓の状態を考え、
|A>=a1 |↑A> + a2 |↓A> 
|B>=b1 |↑B> + b2 |↓B> 
とします。

状態|A>と|B>のあらゆるケースを含む状態を表わすのは、テンソル積:
|A>|B>=(a1 |↑A> + a2 |↓A>) (b1 |↑B> + b2 |↓B>) 
=a1b1 |↑A>|↑B>+a2b2 |↓A>|↓B>+a1b2 |↑A>|↓B>+a2b1 |↓A>|↑B> 
です。
これらの項の係数が a1~b2 の関係から少しでも外れると
|A>|B>とは表せないので、量子もつれ状態です。
極端な場合
a1b2 |↑A>|↓B>+ a2b1 |↓A>|↑B> 
とか
a1b1 |↑A>|↑B>+ a2b2 |↓A>|↓B> 
です(これを満足するa1~b2はない)

そういうわけで、 もつれ状態の部分系A、B は
純粋状態:
|A>=a1 |↑A> + a2 |↓A> 
|B>=b1 |↑B> + b2 |↓B> 
では、ありえません(もつれ状態を満足するa1~b2はない)
じゃ、何なのかと言うと、密度行列でしか表せない混合状態です。

密度行列ρの定義は、全体系の確率を1、その射影 |an><an|の確率をPn
とすると、
ρ=Σn Pn |an><an| 
です。
なので、部分系Aの状態は、全体系の状態の
Aの↑成分+Aの↓成分+干渉成分
です(と思います)