Note9. ベクトルの射影(射影演算子)
内積が定義されたベクトル空間に、
あるベクトル |v> と |a>があって、
|v>から |a>に平行な成分を抜き出す操作を
|v>の |a>への射影といい、その演算子を射影演算子と呼びます。
平行な成分の値(複素数)は、内積<a|v> そのものです。
|a>に平行なベクトル を、|a>自身とすれば、
射影演算は、|a><a|v> となり、
|a>への射影演算子は |a><a| です。
射影演算:|a><a|v> では、内積の値はスカラーですから
掛ける順序を逆にしてもかまいません。
したがって、内積の値をf(a) とすれば、
f(a) |a>= |a><a|v>
と書けます。
射影したものを全て足し合わせれば、元の |v>ですから
Σa f(a) |a>=Σa |a><a|v>= |v>
ということは、Σ_a |a><a|=1 であり、
これを、完全性関係 といいます。