測定器を状態が重ね合わせになる量子bit素子とすると
測定対象s、測定器d1、d1をさらに測定するd2、観測者p1, p2の系を考え、
例として、測定対象sは、例えば、スピンの↑↓ とします。
測定器d1 は、NTTのネコの実験の量子bit素子:
http://www.brl.ntt.co.jp/J/2016/11/latest_topics_201611042223.html
で、その測定結果は「電流の方向」とすると、これは重ね合わせになります。
また、測定器d2 は、マクロな検流計 とします。
観測者p2 にとっては、スピンの↑↓ の普通の測定と同じです。
測定対象sと測定器d2 の合成系の状態は:
|↑d2>|↑s> + |↓d2>|↓s>
観測者p1 は、測定器d1 を見る(見えた)とすると、d1 がsを正確に反映
する測定器なら、sと同じ重ね合わせ状態です。
一般に合成系の状態は:
|d1>|s>=|↑d1>|↑s> + |↓d1>|↓s> + |↑d1>|↓s> + |↓d1>|↓s>
右の2項は、sの状態を反映していませんから、確率0
したがって、sと測定器d2 の合成系の状態は:
|↑d1>|↑s> + |↓d1>|↓s>
これは、測定器が「検流計」d2 の場合と同じです。
どこが違うかというと、測定器が「量子bit素子」d1 の場合
1回の測定で、対象sの状態が得られる(脳が理解できれば)
一方、「検流計」d2 の場合、個々の測定値はバラツキ、
アンサンブル全体で、やっと sの状態が得られる。
この違いと思います。
上記から、測定器とは何か?を考えると、
測定器が、量子bit素子の場合、電流は左回りと右回りがあるから
その状態は R2 (連続的なメータなら R^∞)
測定器が、古典的な場合、電流の左回りと右回りなら ーか+
つまり、0か1。メータの位置でも R のある範囲
Rを、R1 と考えると、ベクトル空間を成し、
内積も定義できますから、これはヒルベルト空間です。
でも、メータの位置x の内積(x1, x2)は1であり、
このx は、1次独立ではないです。
対象系sの状態べクトルの場合、1次独立です。
射影測定を、対象系sの状態を、ある種メータでの位置x に
射影する操作と考えると、
1次独立ではない=ベクトル空間の元としては1つ
なので、どの位置x にも射影される可能性がある
=射影測定の結果は、バラバラになる。
これでは、射影される可能性が、対象系sの状態ベクトル
のノルムの2乗に比例することまでは、言えませんが、
バラバラになる理由は、こう考えればいいと思います。