量子力学の理解のために(考え方)
清水明「新版 量子論の基礎」では 混合状態 のことは 書かれていますが、これの密度行列を用いた説明は避けられています。 「新版 量子論の基礎」では、 純粋状態: 原理的に許される最大限のところまで 状態を指定し尽くした状態 混合状態: どんな物理量を…
もちろん、測定したら「Aである」か「Bである」かのどちらかになります でも、その時は、重ね合せではありません。 この議論は、重ね合せになってる時=測定前の話です。 したがって、状態A,Bは、2次元ベクトル(α、β) で表されます。 この場合、確実に=100…
「観測者の意識の必要性」を最初に見出したのはフォンノイマンで 観測者の観測にょって、フォンノイマン鎖が終結します。 ここでは、何故、観測者の存在が必要か説明します。 尚、EMANさんの記事: 量子雑談 観測の何が状態を確定させるのか|EMAN|note も…
清水明「新版 量子論の基礎」p102より。 測定直前に|ψ>なる状態ベクトルを持っていた系に、 物理量Aの理想測定(=射影測定)Pを行い、 測定値がAの固有値の1つaであったとする。 その場合、測定直後の状態ベクトル|ψ’>は、 P(a)|ψ>が規格化されてい…
量子もつれ対を測定する場合と、1つの対象系を複数の観測者 が測定する場合で、アリスが最初に測定した時、 「アリスの測定結果にボブの結果が100%相関する」 ことを証明します。 尚、「値がすでに1つに決まっている」からではないです。 1.もつれ対A,B…
量子もつれ対A,Bにおいて、誰かが一方の電子Aを測定したら、 もう一方の「測定前の人にとってのBの状態」 に対しても「値がすでに1つに決まってしまう」 とか「値は確定するが分からないだけ」 などと、専門家でもそう考える方は多いと思います。 仮に、ア…
波動関数は測定対象系に付属しているのではない(観測者毎に異なる) - 墓所の虫 で、 堀田先生のブログを引用したり、フォンノイマン鎖を使って 波動関数(状態)や、その収縮には、 観測者毎に異なる場合があることを説明したのですが、 これは、証明ではない…
例えば、観測者を o とすると、 という式が、多世界解釈では、よく出てきます。 でも、この「測定でのもつれ状態に 観測者の状態 が入る式」は、 多世界解釈だけのものではなく、コペンハーゲン解釈でも言える ことを証明します。 https://as2.c.u-tokyo.ac.…
僕は、昭和の頃、波動関数(状態)は測定対象系に付属する かのように習いました。 学部で、初めて量子力学を学ばれる方も、最初はそう思う のではないかと思います。 昔の教科書で学ばれた先生にも、まだそう思っている方もいます。 しかし、 波動関数(状態)…
情報量の定義は、明確に書けます。以下の確率pと情報量Iの関係です。 (ここでいう情報量は、情報エントロピーのことでは、ありません) 情報の定義は、ここでは、 測定して「分からなかったことが、分かる」 =観測者の持つ系の知識が増える =系の「情報…
量子論で言う「物理量」は、自己共役なエルミート演算子 のことです 平均値=∫ψ(x)*Aψ(x) dx や弱値とかのように、測定するのに 1個1個の測定結果を保存しあとで、データ処理する「統計的量」 は、物理量に含みません。 統計的量には、測定するのに、波動…
これは「量子状態を持つ個々の粒子から情報を得る」話 とは、全然違います。 ここで、「物理量」「統計的量」「測定」を、↓で定義します。 量子論の「測定」の定義。狭い意味と広い意味 - 墓所の虫 標記の「粒子集団」として、とりあえず コヒーレントでなく…
ヒルベルト空間は、ベクトル空間に内積を入れて(追加して) 完備にしたものです。 したがって、 0ベクトルを含み、c1V≠c2V です。 しかし、状態が成す空間は、
二重スリット実験やウォルボーンの実験とかの「干渉縞の測定」 は「物理量の測定」ではなく「統計的量」の測定である ことを説明します。 「物理量」「統計的量」「測定」を、↓で定義します。 量子論の「測定」の定義。狭い意味と広い意味 - 墓所の虫 干渉縞…
ここでは「測定」や「観測」を狭い意味で用い 測定: 対象系~測定器の状態まで 観測: 観測者が測定器を見る行為 とします。 測定器の表示は、実験室の明かりで照らされていて 明かり(の強さ)は、観測者の存在・行為とは 何の関係もないとします。 観測者…
ほんの遊びです。逆に私の解答を採点して頂ければうれしいです。 1.2つの近接したスリットを光子が通って、スクリーンに干渉縞を作る実験で、 1-1 光子が1個づつなら干渉縞は、できない 干渉縞は、粒子の相互作用(衝突とか)によって作られる 1-2…
量子力学を学び始めた方で、「重ね合わせ」の説明を聞いて、 1つの粒子が、1度に異なる運動量の値をもてるわけがない=「知りえない」けど「決まっている」 と思ってられる方は多いのでは、ありませんか? しかし、「知りえない」けど「決まっている」場合…
波動関数は、シュレーディンガ方程式の解の関数 のことでは、ありません。 波動関数ψ(q, t)は、状態ベクトル|ψ(t)>の|q>への射影: |q><q|ψ(t)> = ψ(q, t) |q> として定義され、 その時間発展が、シュレーディンガ方程式にしたがう という関係です。</q|ψ(t)>
問題は、これです。 量子力学の無限井戸型ポテンシャル問題を考えます。井戸の幅をaとするならば、井戸に閉じ込められた粒子の位置の揺らぎΔxもaより大きくなりません。しかし不確定性関係を考えると、運動量の揺らぎΔpを零に近づけるとΔxは無限大になって矛…
物理量q^は、 q^=∫q|q><q|dq です(スペクトル分解定理) ここで、|q>は、固有値がqである場合のq^の固有ベクトル を意味します。 そして、q表示の波動関数は、状態ベクトルの「|q>の張る空間」への 射影|q><q|として ψ(q)|q>=|q><q|ψ> として定義されます。 (ψ(q)|q>の張る空間は、状態ベクトル空間の部分空間) </q|ψ></q|として></q|dq>…
波動関数ψ(x,y,z)に広がりがある時、つまり、一般に位置の測定の前 主張1.粒子はどこかわからないが、必ずどこかの1点(x1,y1,z1)には居る は、間違いであることを証明します。 (他の場所に居る可能性がないことを、他の場所での確率が0と定義) 米谷民…
量子力学での「粒子」は「点」です。何故なら、位置演算子の固有ベクトルを |x> と書くと <x'|x>=δ(x-x') であり、ちょっとでも離れれば0で、 分裂したり、ぼやけて広がっているなら、この式はδ関数になりません。 では、 粒子は「必ず常に どこかの1点には存在</x'|x>…
観測者が自分自身を測定した結果を、量子力学は予言(計算)できないです。 >測定者と測定対象の量子系を「合理的に」分離できたときに初めて >量子力学は使える形で定式化されている http://mhotta.hatenablog.com/entry/2016/02/28/140736 (続)