「知りえない」けど「決まっている」んじゃないの!?
量子力学を学び始めた方で、「重ね合わせ」の説明を聞いて、 1つの粒子が、1度に異なる運動量の値をもてるわけがない=「知りえない」けど「決まっている」 と思ってられる方は多いのでは、ありませんか?
しかし、「知りえない」けど「決まっている」場合は、 「古典的確率混合状態」といいます。 これと「純粋状態」では、1つの基底で測定しただけでは 区別がつきませんが、別の基底を測定した場合、 違いがでてきます。
「箱の中の粒子」の場合、運動量が値P、-Pをとる確率は、「純粋状態」でも「古典的確率混合状態」でも 50%づつですが、この時、位置xも測定すると(同じ状態のアンサンブルを用意する) 「純粋状態」では、xの測定値の分布は、教科書のψ*ψ(Sinの2乗)。 つまり、位置の測定値の分布に山や谷がある。 (アンサンブルで考えると、測定値をプロットしていくと山や谷が現れる)
しかし、「古典的確率混合状態」でのψは、 どちらか、一方だけ(+Pか-Pの状態)に決まっていて、「知りえない」だけですから、 ψ(x)は exp(-Px/ih') か exp(+Px/ih') のどちらか。 どちらにせよ、この場合のxの測定値の分布=ψ*ψは、一定値! つまり、測定値の分布は、位置によらず、一定 (アンサンブルで考えると、位置によらずランダム -明確な山や谷はない)
∴ 「知りえないけど決まっている」としたものと「純粋状態」では、結果が合わない!