「測定器+ヒトの意識」での波動関数の収縮
「波動関数<q|ψ>の収縮は、人が観測しないと起きない(意識が必要)」
というのがコペンハーゲン解釈です。
(|q>は、物理量qの固有ベクトルで、離散固有値の場合も含みます)
(射影測定での)測定器の状態は、測定対象の固有状態と
完全相関する縺れ状態(純粋状態)です。
2.1 ポインター測定基底 - 墓所の虫
完全な相関は、密度行列で表した時の非対角項=0(干渉成分がない)
ことを意味しません。
これは、
http://as2.c.u-tokyo.ac.jp/archive/MathSci469%282002%29.pdf
の、縺れ状態の式(5) と その密度行列の式(7) の関係です。
なので「測定した」と言えるためには、
(A)密度行列の非対角項が0(干渉が0)になり、
(B)ただ1つの固有ベクトルが選ばれる
ことが、必要です。
これをするのが、射影仮説 です。
測定器自体は、部分系であり混合状態ですが、観測者が見る測定器の
表示状態は、合成系の状態(純粋状態)です。
(当然、前もって定まっていると考えてはいけない)
ということは、測定器の段階のあと=ヒトの脳内で、波動関数が収縮する
と考えるほかないです。
でも、「意識」は、その人の脳内だけのはずですから、
一人一人の脳の中で別々に「何らかの作用」で、収縮するなら、
各人で結果が異なってもよさそうです。
(アンサンブルで考えると、測定毎に結果はバラツきますし)
もしそうであれば、「測定結果の客観性」を考えると、おかしいです。
逆に、結果が各人で同じなら、「何らかの作用」は物理的な作用ではなく
情報的な作用ということになります。
この、「測定結果の客観性」の疑念は、「量子情報と時空の物理」2.2節
で、問題ないことが、詳しく説明されています。