墓所の虫

.    「新版 量子論の基礎」と「量子情報と時空の物理」をベースに書いていますが、間違いをよくやります。まず眉にツバをつけてw

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大学教育は危機に瀕しています! 


私は言葉の使い方が下手なので、おかしいと思う文章は式に合わせてお読み下さい。
尚、新理論や独自理論を唱えるつもりはありませんが、アイデアの提案はしています。


2022-08-12から1日間の記事一覧

マクロな物理量の条件は?(何故アボガドロ数あれば十分か)

これは、清水明「新版 量子論の基礎」p108 脚注の問いです。 粒子の集団が「マクロ」と言えるのは、アボガドロ数あれば 異存はないでしょうが、 では、「10^12 個では? 10^6 個では? 10^3 個では?」 という問いです。 何故、アボガドロ数あれば十分か…

線形変換と群(一般線形群)

線形変換 定義:体K上のベクトル空間Vがあって、 写像T:V→Vが、次の条件を満たす時、線形変換という (1) T(u+v)=T(u)+T(v) u,v∈V (2) T(cu)=c T(u) u∈V c∈K 要は、線形写像T:U→Vにおいて、V=Uとしたものです。 これを、図で書くと、 U -(A)→ U | | P …

ベクトル空間→バナッハ空間→距離空間(距離関数の計量)

ベクトル空間 K上のベクトル空間とは、和とスカラー倍が定義された空間(集合)で (f+g)(v)=f(v)+g(V) (f,g∈V v∈V) (cf)(v)=cf(v) (c∈K) V ≠ φ が成り立つVです。 (スカラー倍といっても、cは逆数でもいいので割り算も有りです) ノルム…

Note11.完備な内積空間(ヒルベルト空間)

K上のベクトル空間とは、和とスカラー倍が定義された空間(集合)で (f+g)(v)=f(v)+g(V) (f,g∈V v∈V) (cf)(v)=cf(V) (c∈K) V ≠ φ が成り立つVです。 (スカラー倍といっても、cは逆数でもいいので割り算も有りです) したがって、Kが、…

Note10.内積空間(標準内積とエルミート内積)

Preヒルベルト空間というべき内積空間をやります。 タネ本は、新井朝雄「量子力学の数学的構造 Ⅰ」です。 1.内積空間の定義 Fを、実数体Rまたは複素数体Cとし、HをF上のベクトル空間とする (Rの場合は標準内積空間、Cの場合はエルミート内積空間です)…

Note7.表現行列

1.表現行列 定義: Tがベクトル空間UからVへの線形写像とする。 Uの基底を{u1,,,un}、 Vの基底を{v1,,,vm} に選ぶ。 T(u1)、、、T(un) は、Vのベクトルであるから v1,,,vmの1次結合で書ける。 これを、行列Aを用いて、 T(u1)、、、T(un)=(v1,,,vm)A A…

Note6.線形写像の像と核

Tが、ベクトル空間UからVへの線形写像である時、 Tの像:Im(T)={T(u) | u∈U} Tの核:Ker(T)={u∈U | T(u)=0 in V} という。 Tの像とは、平たく言えば、T(u) の集合 (⊂V) Tの核とは、平たく言えば、T(u)=0 という連立方程式の解空間 となるuの集合 (⊂U)…

Note5.線形写像

線形写像とは、ベクトル空間のベクトルを変換して新しいベクトル空間に 写像(Map)するものです。 (線形変換とは、新しいベクトル空間でなくて元の空間の場合) 線形写像 定義:R上のベクトル空間U、Vがあった時、この間の写像T:U→Vが 次の条件を満たす時、線…

二重スリット実験の特殊性(物理量の測定とは言えない)

二重スリット実験やウォルボーンの実験とかの「干渉縞の測定」 は「物理量の測定」ではなく「統計的量」の測定である ことを説明します。 「物理量」「統計的量」「測定」を、↓で定義します。 量子論の「測定」の定義。狭い意味と広い意味 - 墓所の虫 干渉縞…