Note7.表現行列
1.表現行列
定義:
Tがベクトル空間UからVへの線形写像とする。
Uの基底を{u1,,,un}、 Vの基底を{v1,,,vm} に選ぶ。
T(u1)、、、T(un) は、Vのベクトルであるから
v1,,,vmの1次結合で書ける。
これを、行列Aを用いて、
T(u1)、、、T(un)=(v1,,,vm)A Aはmxn行列
と表した時、
行列Aを Uの基底{u1,,,un}、Vの基底{v1,,,vm}に関する
Tの表現行列である という。
説明:
T;U→Vという線形写像があった時、標準基底のTでの「行き先」
を計算すれば、行列の掛算でTを表せる
この時、
(u1,,,un)→(v1,,,vm)
T(u1)=a11v1+a21v2+、、、am1vm
T(u2)=a12v1+、、、、、、、am2vm
:
T(un)=a1nv1+、、、、、、、amn
まとめると、
T(u1)、、、T(un)=(v1、、、vm)(a11、、、a1n
:
am1、、、amn)
例1
T(x)=(2,4,1 x:R3→R2
1,5,3)
において、R3の基底 u1=(1;0;1) u2=(1;2;2) u3=(0;1;1)、
R2の基底 v1=(1;2) v2=(2;3)
これを、例えば、
(2,4,1 (1;0;1)=a11v1 + a21v2 と書きたい
1,5,3)
これは、単純には、連立方程式で a11,a21を求めればよい。
a12,a22やa31,a32も、同様に求められる。
上記の方法を形式的に記述する。
(1) 恒等写像の導入
T:V→V でT(x)=x
これは、線形写像の定義を満たす。
常に、単位行列の掛算になるように思えるが、
写像先の基底が違えば、単位行列ではない。
(2) 変換の関係
U -(A)→ V
| |
P Q P,Q:恒等写像
↓ ↓
U -(B)→ V
Tは、Aを掛けるものとすると、それは
「まずPを掛け、Bを掛け、その後Q^-1を掛けたもの」
に等しいことが、この図から言える
これは、ちょうど例1の手順を表している。
つまり、
A=Q^-1BP
2.線形変換
T:U→U を、線形変換と呼ぶ。
これを、上の図で書くと、
U -(A)→ U
| |
P P P:恒等写像
↓ ↓
U -(B)→ U
これから、
A=P^-1BP