墓所の虫

.    「新版 量子論の基礎」と「量子情報と時空の物理」をベースに書いていますが、間違いをよくやります。まず眉にツバをつけてw

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大学教育は危機に瀕しています! 


私は言葉の使い方が下手なので、おかしいと思う文章は式に合わせてお読み下さい。
尚、新理論や独自理論を唱えるつもりはありませんが、アイデアの提案はしています。


Note7.表現行列

1.表現行列 
定義: 
  Tがベクトル空間UからVへの線形写像とする。
  Uの基底を{u1,,,un}、 Vの基底を{v1,,,vm} に選ぶ。
  T(u1)、、、T(un) は、Vのベクトルであるから 
  v1,,,vmの1次結合で書ける。
  これを、行列Aを用いて、
    T(u1)、、、T(un)=(v1,,,vm)A   Aはmxn行列
  と表した時、
  行列Aを Uの基底{u1,,,un}、Vの基底{v1,,,vm}に関する
  Tの表現行列である という。

説明: 
  T;U→Vという線形写像があった時、標準基底のTでの「行き先」
  を計算すれば、行列の掛算でTを表せる
  この時、
  (u1,,,un)→(v1,,,vm) 
     T(u1)=a11v1+a21v2+、、、am1vm
     T(u2)=a12v1+、、、、、、、am2vm
     :
     T(un)=a1nv1+、、、、、、、amn
  まとめると、
  T(u1)、、、T(un)=(v1、、、vm)(a11、、、a1n
                    :
                  am1、、、amn)
例1
  T(x)=(2,4,1    x:R3→R2
     1,5,3)
  において、R3の基底 u1=(1;0;1) u2=(1;2;2) u3=(0;1;1)、
  R2の基底 v1=(1;2) v2=(2;3) 
  これを、例えば、
  (2,4,1   (1;0;1)=a11v1 + a21v2 と書きたい
   1,5,3)
  これは、単純には、連立方程式で a11,a21を求めればよい。
  a12,a22やa31,a32も、同様に求められる。

上記の方法を形式的に記述する。

 (1) 恒等写像の導入
    T:V→V でT(x)=x 
    これは、線形写像の定義を満たす。
    常に、単位行列の掛算になるように思えるが、
    写像先の基底が違えば、単位行列ではない。

 (2) 変換の関係
     U -(A)→ V 
     |      | 
     P      Q      P,Q:恒等写像
     ↓      ↓ 
     U -(B)→ V 

   Tは、Aを掛けるものとすると、それは
   「まずPを掛け、Bを掛け、その後Q^-1を掛けたもの」
   に等しいことが、この図から言える
   これは、ちょうど例1の手順を表している。
   つまり、
       A=Q^-1BP

2.線形変換
   T:U→U を、線形変換と呼ぶ。
   これを、上の図で書くと、
     U -(A)→ U 
     |      |
     P      P   P:恒等写像
     ↓      ↓
     U -(B)→ U
   これから、
       A=P^-1BP