Note5.線形写像
線形写像とは、ベクトル空間のベクトルを変換して新しいベクトル空間に
写像(Map)するものです。
(線形変換とは、新しいベクトル空間でなくて元の空間の場合)
線形写像
定義:R上のベクトル空間U、Vがあった時、この間の写像T:U→Vが
次の条件を満たす時、線形写像という。
(1) T(u+v)=T(u)+T(v) u,v∈U
(2) T(cu)=c T(u) u∈U c∈R
註:
T:U→Vと書いただけで、T(u)=u' T(v)=v' u',v'∈V u,v∈U
を意味する。
多項式の集合は、ベクトル空間であるから、
多項式の微分・積分は、線形写像である。
多項式のフーリエ変換も線形写像と言えると思います。
例1
0:U→V 零写像(どんなu∈Uも 0∈Vに写像する)
例2
Aを mxn行列とすると、TA:Rn→Rm 行列の掛算
命題1 零元の線形写像T:U→V は、零元である
つまり T(0 in U)=0 in V
証明:
0・0in U=0in U である
この両辺にTを作用させると、
T(0・0in U)=T(0in U)
定義より、T(0・0in U)=0・T(0in U)=0 in V
∴ 0 in V=T(0in U)
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疑問 T(0in U)=V上の何か つまり、
写像には 最低1個の対応関係が必要では?
命題2 有限次元のベクトル空間U、V間の線形写像は、
行列の掛算TAで表現できる。
証明:
T:Rn→Rm という線形写像があったとする
T((x1;x2;,,,xn))は、標準基底で展開すると、
=T( x1(1,0,,,0)+x2(0,1,0,,,0)+,,,+xn(0,,,1) )
=T(x1(1,0,,,0) )+T(x2(0,1,0,,,0) )+,,,+T(xn(0,,,1) )
=x1・T((1,0,,,0) )+x2・T((0,1,0,,,0) )+,,,+xn・T((0,,,1) )
ここで、T((1,0,,,0) )、、、を、
それぞれ、a1、、、an と書き、
A=(a1、、、an)とおくと、Aを掛けること、
つまりTAは、
TA(1,0,,,0)=a1=T((1,0,,,0) )
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n番目まで同様
したがって、TA=T である
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