Note6.線形写像の像と核
Tが、ベクトル空間UからVへの線形写像である時、
Tの像:Im(T)={T(u) | u∈U}
Tの核:Ker(T)={u∈U | T(u)=0 in V}
という。
Tの像とは、平たく言えば、T(u) の集合 (⊂V)
Tの核とは、平たく言えば、T(u)=0 という連立方程式の解空間
となるuの集合 (⊂U)
定理5.1.1-1 Tの像Im(T)は、Vの部分空間である
証明:
部分空間となる3条件を調べる。
v1=T(u1)∈Im(T), v2=T(u2)∈Im(T), c∈R とする
(1) 0inV=T(0inU)∈Im(T)
(2) v1+v2=T(u1)+T(u2)=T(u1+u2)∈Im(T)
(3) cv1=cT(u1)=T(c u1)∈Im(T)
したがって、Im(T)は、Vの部分空間である
//
定理5.1.1-2 Tの核ker(T)は、Uの部分空間である
証明:
部分空間となる3条件を調べる。u1,u2∈ker(T), c∈R とする
(1) 0inV=T(0inU) だから 0inU∈ker(T)
(2) T(u1+u2)=T(u1)+T(u2)=0inV+0inV=0inV
だから u1+u2∈ker(T)
(3) T(c u1)=cT(u1)=c0inV=0inV だから c u1∈ker(T)
したがって、ker(T)は、Uの部分空間である
//
T=行列の掛算TA: Rn→Rm とした場合、
1.Tの核Ker(T)とは、、、
定義より{(x1;x2;,,,;xn) | A(x1;x2;,,,;xn)=0 }
つまり、A(x1;x2;,,,;xn)=0という連立方程式の解空間である。
解空間は、NullSpace とも言うので、
Null(T)=dim(ker(T)) と定義し、これは、
=n-rank(A) である。
(0なら0次元 つまり 解は1個だけ)
2.Tの像Im(T)とは、
定義より{A(x1;x2;,,,;xn) | x1、x2,,,xn∈Rn }
A(x1;x2;,,,;xn)は、標準基底で展開すると、
=x1A(1,0,,,,0)+x2A(0,1,,,,0)+、、、+xnA(0,,,,1)
=x1a1+x2a2+、、、、xn an
つまり、Im(T)は、Rmの部分空間である
次元公式
rank(T)=dim(Im(T))と定めると、
前回の命題2より
「有限次元なら線形写像は、行列の掛算で表される」ので
rank(TA)=rank(A) となる。
上記 Null(T)=dim(ker(T))=n-rank(A) より、
dim(ker(T))+dim(Im(T))=n
となり、これを次元公式と呼ぶ