墓所の虫

.    「新版 量子論の基礎」と「量子情報と時空の物理」をベースに書いていますが、間違いをよくやります。まず眉にツバをつけてw

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大学教育は危機に瀕しています! 


私は言葉の使い方が下手なので、おかしいと思う文章は式に合わせてお読み下さい。
尚、新理論や独自理論を唱えるつもりはありませんが、アイデアの提案はしています。


Note6.線形写像の像と核

Tが、ベクトル空間UからVへの線形写像である時、
Tの像:Im(T)={T(u) | u∈U}
Tの核:Ker(T)={u∈U | T(u)=0 in V}
という。

Tの像とは、平たく言えば、T(u) の集合 (⊂V)
Tの核とは、平たく言えば、T(u)=0 という連立方程式の解空間
となるuの集合 (⊂U)

定理5.1.1-1  Tの像Im(T)は、Vの部分空間である
  証明:
     部分空間となる3条件を調べる。
     v1=T(u1)∈Im(T), v2=T(u2)∈Im(T), c∈R とする
     (1) 0inV=T(0inU)∈Im(T) 
     (2) v1+v2=T(u1)+T(u2)=T(u1+u2)∈Im(T)
     (3) cv1=cT(u1)=T(c u1)∈Im(T)
     したがって、Im(T)は、Vの部分空間である
  // 定理5.1.1-2  Tの核ker(T)は、Uの部分空間である
  証明:
     部分空間となる3条件を調べる。u1,u2∈ker(T), c∈R とする
     (1) 0inV=T(0inU) だから 0inU∈ker(T)
     (2) T(u1+u2)=T(u1)+T(u2)=0inV+0inV=0inV
       だから u1+u2∈ker(T)
     (3) T(c u1)=cT(u1)=c0inV=0inV だから c u1∈ker(T)
     したがって、ker(T)は、Uの部分空間である
  //

T=行列の掛算TA: Rn→Rm とした場合、
1.Tの核Ker(T)とは、、、
   定義より{(x1;x2;,,,;xn) | A(x1;x2;,,,;xn)=0 }
   つまり、A(x1;x2;,,,;xn)=0という連立方程式の解空間である。
   解空間は、NullSpace とも言うので、
   Null(T)=dim(ker(T)) と定義し、これは、
     =n-rank(A) である。
   (0なら0次元 つまり 解は1個だけ)

2.Tの像Im(T)とは、
   定義より{A(x1;x2;,,,;xn) | x1、x2,,,xn∈Rn
   A(x1;x2;,,,;xn)は、標準基底で展開すると、
   =x1A(1,0,,,,0)+x2A(0,1,,,,0)+、、、+xnA(0,,,,1)
   =x1a1+x2a2+、、、、xn an 
   つまり、Im(T)は、Rmの部分空間である

次元公式 
   rank(T)=dim(Im(T))と定めると、
   前回の命題2より 
   「有限次元なら線形写像は、行列の掛算で表される」ので
   rank(TA)=rank(A) となる。
   上記 Null(T)=dim(ker(T))=n-rank(A) より、
   dim(ker(T))+dim(Im(T))=n
   となり、これを次元公式と呼ぶ