ベクトル空間→バナッハ空間→距離空間(距離関数の計量)
ベクトル空間
K上のベクトル空間とは、和とスカラー倍が定義された空間(集合)で
(f+g)(v)=f(v)+g(V) (f,g∈V v∈V)
(cf)(v)=cf(v) (c∈K)
V ≠ φ
が成り立つVです。
(スカラー倍といっても、cは逆数でもいいので割り算も有りです)
ノルム空間、バナッハ空間
ノルムとは、ベクトルの大きさ(長さ)のようなもので、
ノルム空間とは、ベクトル空間に「ノルム」が定義(追加)
されたものです。
完備なノルム空間がバナッハ空間です。
ノルムの定義
・||x|| ≧ 0、且つ、||x||=0<=>x=0
・|| x+y|| ≦ ||x|| + ||y||
・|| ax|| = |a| ||x||
(ヒルベルト空間でのノルムは内積で定義されます)
距離空間
距離空間とは、ベクトル空間に「距離」が定義(追加)
されたものです。
距離空間とその距離関数については:
距離空間の定義とユークリッド空間 - 墓所の虫
ユークリッド空間の点ベクトルA, Bをブラ・ケットで書くと
距離関数ρ(A, B) は、
ρ^2=( <B| - <A| )( |B> - |A> ) という「差をとった内積」になります。
計量テンソル
内積と計量テンソル は数学ではペアです。
上記の内積には、計量テンソルgがついていると見ると
ρ^2=g( <B| - <A| )( |B> - |A> )
=g(b0-a0)^2+(b1-a1)^2+(b2-a2)^2+、、、
なので、4 次元のユークリッド空間 では、
g= diag(+1,+1,+1,+1)
ミンコフスキー空間
この距離関数ρは、
ρ^2=g( <B| - <A| )( |B> - |A> )
=-(b0-a0)^2+(b1-a1)^2+(b2-a2)^2+、、、
なので、b0 や a0 の位置が時間になるとすると
g= diag(-1,+1,+1,+1)