観測者の存在の必要性
「観測者の意識の必要性」を最初に見出したのはフォンノイマンで
観測者の観測にょって、フォンノイマン鎖が終結します。
ここでは、何故、観測者の存在が必要か説明します。
尚、EMANさんの記事: 量子雑談
観測の何が状態を確定させるのか|EMAN|note
も併せてお読み下さい。
>「観測者の意識が状態を確定させた」というような表現
>をすることがあるわけだが、
>なんら神秘的なことを言っているわけではない
のです。
まず、測定対象系をsとし、そのスピンの↑↓を射影測定するとします。
1.測定器ばかりのフォンノイマン鎖の場合
s→d1→d2→d3→d4→d5→d6、、、
d3から見れば、合成系は最大もつれ状態の場合
|↑s>|↑d1>|↑d2>+|↓s>|↓d1>|↓d2>
という量子もつれ状態です。
各部分系は、一般には干渉項が0でない混合状態になり、
測定器も混合状態になり、何を示すか分かりません。
これらの測定器が、いくつつながっていても、
決して、スピンが1つだけの「固有状態」にはなりません。
現実には、ただ1つだけの「固有状態」=純粋状態ですから
この状況は、現実と合いません。
2.測定器のフォンノイマン鎖の最後に観測者oが居る場合
s→d1→d2→d3→d4→o
oから見れば、合成系は最大もつれ状態の場合
|↑s>|↑d1>|↑d2>|↑d3>|↑d4>+|↓s>|↓d1>|↓d2>|↓d3>|↓d4>
という量子もつれ状態です。
各部分系は、一般には干渉項が0でない混合状態になります。
しかし、実験事実は、
oは、d4(部分系=混合状態)を見て、oの意識=脳の状態は
スピンが↑か↓どっちか1つの固有状態=純粋状態になります。
これだけでは、まだ十分ではないので
3.測定器のフォンノイマン鎖の最後が観測者oと脳の測定器dBである場合
s→d1→d2→d3→o→dB
oから見れば、合成系は最大もつれ状態の場合
|↑s>|↑d1>|↑d2>|↑d3>+|↓s>|↓d1>|↓d2>|↓d3>
dB から見れば、合成系は
|↑s>|↑d1>|↑d2>|↑d3>|↑o>+|↓s>|↓d1>|↓d2>|↓d3>|↓o>
という量子もつれ状態です。
測定が終わった時、2に書いたように、
oの脳の状態は、↑か↓どっちか1つの固有状態=純粋状態
になります。
(もし、oが観測者でなく測定器であれば1の状況です)
測定器dBが、oの脳の状態を、何らか必ず示すとすると、
oの脳は、どっちか1つの固有状態=純粋状態であり
純粋状態は、確定した直後では、誰が測定しても、何回しても
同じ結果なので、dBが示す=dBの状態は、
↑か↓どっちか1つの固有状態です(誰も見なくても)
もし、oが観測者でなくただの測定器とすると、
dBは混合状態です。
したがって、観測者の存在は、必須です。
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