墓所の虫

.    「新版 量子論の基礎」と「量子情報と時空の物理」をベースに書いていますが、間違いをよくやります。まず眉にツバをつけてw

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私は言葉の使い方が下手なので、おかしいと思う文章は式に合わせてお読み下さい。
尚、新理論や独自理論を唱えるつもりはありませんが、アイデアの提案はしています。


測定でのもつれ状態に 観測者の状態 が入ることの証明

例えば、観測者を o とすると、
https://rhcpf907.sakura.ne.jp/fml2tex?式 |ψ> =|↓s>|↓d>|↓o>+|↑s>|↑s>|↑o>
という式が、多世界解釈では、よく出てきます。
でも、この「測定でのもつれ状態に 観測者の状態 が入る式」は、
多世界解釈だけのものではなく、コペンハーゲン解釈でも言える
ことを証明します。

https://as2.c.u-tokyo.ac.jp/archive/handai2009.pdf 
のp17の記号を流用します。
(p17自体を議論するつもりは、ありません)
ここの図で Sは測定対象、Aは測定器、A’とかは観測者(や測定器)
です。
例えば、この図を電子のスピン↑↓ の測定とすると
観測者A’から見て、測定前の全体系の状態は
|↓S>|↓A>+|↑S>|↑A>  (Aは測定器)
という量子もつれ状態です。
何故、この式になるかというと
  状態|S>と|A>のすべてのケースを考えた状態は、テンソル積:
  |S>|A>=( |↓S>+|↑S> )( |↓A>+|↑A> ) 
  になりますが、これに射影測定の性質(結果がただ1つの固有状態になる)
  より「1つの項に↑と↓の状態が含まれることは、ない」
  ので、上の式になります。
A’は、測定器Aしか見ないのに、何故、全体系で考えるかというと
  まだ測定が始まってない時に、測定器Aの表示を見ても意味ない
  からです。

次に、観測者A’’から観測者A’を通して全体系をみると
状態|S>、|A>、|A’>のすべてのケースを考えた全体系の状態は、
テンソル積:
|S>|A>|A’> =( |↓S>+|↑S> )( |↓A>+|↑A> )( |↓A’>+|↑A’> )
になり、これに対し、上記と同じように、射影測定の性質を考えると:
|↓S>|↓A>|↓A’>+|↑S>|↑A>|↑A’> 
という もつれ状態であり、観測者A’が入ってきます。
その結果、波動関数(状態)は、A'とA''では、異なることになります。

さらに、次の次のA''’から観測者A’’を通して全体系をみると
同じようにして、
|↓S>|↓A>|↓A’>|↓A’’>+|↑S>|↑A>|↑A’>|↑A’’>
であり、観測者A’’も入ってきます。
その結果、波動関数(状態)は、A'’’も、異なることになります。
したがって、p17の図の観測者A'、A’’、A’’’、、、毎に波動関数(状態)
があることになります。

これらの式には「観測者自身の状態」は含まれていない
つまり、A'の式には、A'の状態は入っていないことに注意
して下さい。
尚、もつれ状態の部分系は、混合状態です。
量子もつれ系の部分系が「混合状態」であることの証明 - 墓所の虫