1.経路積分こと始め
タネ本は、森藤正人「量子波のダイナミクス」です。
内容は、とね日記さん: http://blog.goo.ne.jp/ktonegaw/e/20dea8ac600f55f0c79934c6342e8c5c
を見てください。
拡散方程式と(自由粒子の)シュレーディンガ方程式の類似性
拡散方程式の「両端の温度が0に固定されている場合の解」ρ=Asin(bx)exp(-ct) と、
ψ=Aexp(ikx-iwt) とを比較して、おかしいと思われている方も多いと思います。
それは、ちょっと後回しにして、
自由粒子のシュレーディンガ方程式は、長さや時間の単位を適切に変えることで、mやhを見かけ上
消去することで、
です。両者は、i が付くか付かないだけの差です。
この差が原因で、↑の2つの解の差異となります(境界条件をそろえれば です)
2つの解の境界条件をそろえるため、シュレーディンガ方程式で、両端がψ=0 とすると、
ψ=Asin(bx)exp(-iwt)
となります。差異は、t に付く i の差だけです(まぁ当然ですが)
数学的には、解についてt→itと置き換えるだけで、一方から他方に移行できるということです。
これは、sin(x) と sinh(x) の関係と同じです。
しかし、ρとψの意味は、全く違います。(実数軸に漸近する・しないというだけでなく)
ρは、直接 確率分布を表せます。∫_{-∞}^{+∞}ρ dx = 1
ψ自体は、一般に複素数の関数で、そのままでは、確率を表せません。
じゃどうするかというと、|ψ|2 が、確率分布を表すとします(ボルンの確率規則)
ブラウン運動に戻って考えると、
粒子が(xi、tj)になる1ステップ前 tj-1 では、1ステップでは、⊿xしか動かないから、
この時点では、位置は、⊿x・(i+1)=xi+1 か、⊿x・(i-1)=xi-1 に居なければ
ならない。
この2つの事象が、それぞれ 1/2の確率で ρ(xi、tj) に寄与するので、
ではなく、ボルンの確率規則により、
となります。展開すると、
=|ψ(x_i+1、t_j-1)+ ψ(x_i-1、t_j-1)|2
=|ψ(x_i+1、t_j-1)|2 + |ψ(x_i-1、t_j-1)|2 + 2ψ(x_i+1、t_j-1)ψ(x_i-1、t_j-1)
=(x_i+1、t_j-1)に居た確率+ψ(x_i-1、t_j-1)に居た確率 + ?
で、? がいわゆる干渉項です。
ということは、ブラウン運動に戻って考えると、、、
なんと!! 量子論的粒子は、t_j-1の時刻に、x_i+1とx_i-1の2点にいた ということになります。
と、僕が書くと、「またぁ トンデモを」と笑われるだけですが、
この 森藤正人「量子波のダイナミクス」のp8 には、2重スリットの実験結果の説明で
「それぞれの電子は、同時に両方のスリットを通過しているということである」
と、辺りをはばからず 明記しています。
(僕が書けば、お笑いのタネで、専門家が書けば、至言とは、、、)