墓所の虫

.    「新版 量子論の基礎」と「量子情報と時空の物理」をベースに書いていますが、間違いをよくやります。まず眉にツバをつけてw

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大学教育は危機に瀕しています! 


私は言葉の使い方が下手なので、おかしいと思う文章は式に合わせてお読み下さい。
尚、新理論や独自理論を唱えるつもりはありませんが、アイデアの提案はしています。


波動関数の定義は<q|ψ>なので、スピンにも波動関数が言える

スピンには、波動関数はないとよく言われます。
しかし、スピンの状態が1つの固有状態に収縮して値が
確定した時は、スピンの確率密度が、その値の所で
δ関数になります。
確率密度は、一般にψ*(q)ψ(q) ですから、
スピンにも波動関数が言えるはずです。
(確率密度のδ関数の2乗は「位置表示」の場合と同様適宜 定義されるとします)

まず、波動関数ψ(q)の定義は、物理量qの固有空間への
射影|q><q|から
ψ(q) |q>=|q><q|ψ>
ψ(q)=<q|ψ>
で定義されます。
(シュレーディンガ方程式の解だけではありません)
物理量qが連続固有値をとる場合、
<q’|q >=δ(q - q’) なので、ψ(q)が δ関数になる場合があります。
この場合、確率密度のδ関数の2乗は、物理では適宜 定義される
とする必要があります。

例:
よくある「位置表示の波動関数ψ(x) 」は
ψ(x) |x>=|x><x|ψ>
「運動量表示の波動関数ψ(p) 」は
ψ(p) |p>=|p><p|ψ>

それで、スピンの場合
物理量σz, σy, σ_x の1つ1つに対して、
その固有空間{ |s>}への射影 |s><s| から
ψ(s) |s>= |s><s|ψ>
のψ(s)が、スピンの波動関数と言ってよいはずです。

具体的には、z方向でのスピンの状態が
a |+>+b |- >の場合、スピンの値は+1/2 と - 1/2 なので
波動関数ψ(s)=<s| ( a |+>+b |- > )
は、s軸上の+1/2 と - 1/2 の点にピークがある2つのδ関数の和
つまり、この場合の スピンの波動関数
ψ(s) = a δ(s - 1/2) + b δ(s + 1/2)
となります。
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