距離空間の完備化(2)
C(X)/~ の距離をどう定義するか
C(X)とは、距離空間Xの基本列全体の集合のことで、
この記事は、 http://blogs.yahoo.co.jp/kafukanoochan/62700932.html Murakuさんの
問3:このときXの距離ρによりC(X)/~にも自然に距離が定義されることを示せ。
の答え?です。
内田伏一「集合と位相」p150より、
C(X)/~ の距離の定義のストーリ:
C(X)は、距離空間Xの基本列全体の集合とする
1.まず、C(X)上の2つの元 点列(xn|n∈N)と(yn|n∈N)に対して、実数列(ρ(xn,yn)|n∈N)がn→∞で
収束すること を示す。
2.よって、d((xn|n∈N),(yn|n∈N))=Lim[n→∞]ρ(xn,yn) として関数d:C(X)×C(X)→R が定義できる。
3.二項関係を、C(X)上の2つの元(xn|n∈N)と(x'n|n∈N)に対して、d((xn|n∈N),(x'n|n∈N))=0
となる時、
(その時に限って)、(xn|n∈N)~(x'n|n∈N)という同値関係を定義する。
4.で、C(X)の元(xn|n∈N)を、C(X)/~ の1つの代表元[(xn|n∈N)]とし、
C(X)の元(yn|n∈N)を、C(X)/~ のもう1つの代表元[(yn|n∈N)]とする。
5.C(X)/~ をX~とし、関数d~ :X~×X~→R を、上記2つの代表元に対し、
d~([(xn|n∈N)], [(yn|n∈N)])=d((xn|n∈N),(yn|n∈N)) によって定義する。
したがって、
d~([(xn|n∈N)], [(yn|n∈N)])=Lim[n→∞]ρ(xn,yn)
つまり、C(X)での距離ρは点列の関数で、商空間C(X)/~ の距離d~は代表元[点列]の関数という自然な関係
になっています。