墓所の虫

.    「新版 量子論の基礎」と「量子情報と時空の物理」をベースに書いていますが、間違いをよくやります。まず眉にツバをつけてw

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私は言葉の使い方が下手なので、おかしいと思う文章は式に合わせてお読み下さい。
尚、新理論や独自理論を唱えるつもりはありませんが、アイデアの提案はしています。


Note3.1次従属と1次独立

1次結合と1次関係
   V:ベクトル空間
   v、u1~uN ∈ V 
   aN ∈ R (N=1,2,3、、、)において
   v=a1u1 + a2u2 + a3u3 +、、、aNuN で表される時

   vは、u1~uN の1次結合で表される 

   という。(まだ「基底」の話じゃないです)
   この時の u1~uN において、
   c1u1 + c2u2 + c3u3 +、、、cNuN=0 を1次関係
   という。
   c1~cNが0の時を、自明な1次関係 という。

1次独立
   v1~vN ∈ V が1次独立とは、
   (1) 自明な以外の1次関係を持たない
   (2) c1u1 + c2u2 + c3u3 +、、、cNuN=0 となるのは
     c1~cNが0の時に限る
   例
     V=Rn において、
     e1=(1,0,0,,,) e2=(0,1,0,,,) e3=(0,0,1,,,) eN=(0,0,0,,,1,,,)
     は、1次独立 である。
     証明:
         c1e1 + c2e2 + c3e3 +、、、cNeN=(c1,c2,c3,,,,cN)
         これが、(0,0,0,、、、)であるためには、c1,c2,c3,,,,cN
         が全て0に限る
     //

1次従属
   v1~vN ∈ V が1次従属とは、
   v1~vNが1次独立でない
   である。
   これを 1次関係: c1u1 + c2u2 + c3u3 +、、、cNuN=0
   を満たすのは、
   c1~cNの内 少なくとも1つは「0でないもの」がある
   と言ってもよい。
   これは、次の定理から言えます。

定理4.2.1
   u1~uN ∈ V:ベクトル空間 
   u1~uN が1次従属ならば、u1~uN のどれか1つが
   残りのものの1次結合で表される。
   証明:
      1次従属なので、自明でない1次関係がある。
      c1,c2,c3,,,cN ∈ R とすると、定義より、
      c1u1 + c2u2 + c3u3 +、、、cNuN=0 で、
      c1,c2,c3,,,cNの内、少なくとも1つは0でない
      それをckとし、移項すると、
      -ckuK=c1u1 + c2u2 + c3u3 +、、、cNuN (k番目を除く)
      ∴ uK=(c1/-ck)u1 + (c2/-ck)u2 + (c3/-ck)u3 +、、、(cN/-ck)uN
        つまり、uK が、それ以外のもので表せた。
   //

定理4.2.1の逆
   u1~uN ∈ V のどれか1つが、残りのものの1次結合で
   表されるならば、u1~uNは1次従属である。
   証明:
     略(ヒント:uK=c1u1 + c2u2 + c3u3 +、、、cNuNと表せたとする)

定理4.2.2
   u1~uN ∈ V:ベクトル空間 
   u1~uN が1次独立とする、これにu0を加えて、
   u0,u1,,,uN が1次従属になったとすると、
   u0は、u1~uN の1次結合で表される。
   証明:
      u0,u1,,,uN は1次従属なので、自明でない1次関係がある。
      ということは、
      c0u0 + c1u1 + c2u2 + c3u3 +、、、cNuN=0 が成り立つ
      もし、c0=0とすると(背理法
        c1u1 + c2u2 + c3u3 +、、、cNuN=0 となり、
      c1,c2,c3,,,cNの内、少なくとも1つは0でない。
      u1~uN が1次独立(0になるのはcNが全て0に限る)と矛盾
      よって、c0≠0 
      これより、移項してc0 で割ると、
      u0=(c1/c0)u1 + (c2/c0)u2 + (c3/c0)u3 +、、、(cN/c0)uN
      つまり、u0 が表せた。
   // 

補題
 (1) v、u1~uN ∈ V:ベクトル空間
  aN ∈ R (N=1,2,3、、、)において、(;は改行の意)
   v=a1u1 + a2u2 + a3u3 +、、、aNuN で表される時
   v=(a1、a2、a3、、、aN)(u1 ; u2 ; u3 ;、、、uN)
   と書ける。

 (2) u、v ∈ V:ベクトル空間
   u=(y1,y2,y3、、、yM) v=(x1,x2,x3、、、xN)の時
   mxn行列をAとすると、
   Aは、行ベクトルを要素とする列ベクトルとして書けるので
   uA=(y1,y2,y3、、、yM)A=(a11y1+a21y2+,,,aM1yM ~
     ~ a1Ny1+a2Ny2+,,,aMNyM)
   =(x1,x2,x3、、、xN)
   =v
   と書ける。      (3) x1,x2,x3、、、xM ∈ V:ベクトル空間
   y1,y2,y3、、、yN ∈ V
   の時、mxn行列をAとすると、
   (2)と同様に、
   (x1,x2,x3、、、xM)A=(a11x1+a21x2+,,,aM1xM ~
          ~ a1Nx1+a2Nx2+,,,aMNxM)
   =(y1,y2,y3、、、yN)
   と書ける。

定理4.2.3 
   ベクトル空間の元の2つの組 u1、、、uM と
    v1、、、vN に対し、
   (1) v1、、、vN が u1、、、uM の1次結合で書ける
   (2) N>M 
   ならば、v1、、、vN は、1次従属になる。
   これから、v1、、、vN が1次独立なら、N≦M である
   (証明は略)
   例:R2={(x1,x2)|x1,x2 ∈ R}の場合
     R2の任意のベクトル(a1,a2)は、a1(1,0)+a2(0,1) と書ける
     つまり、E1=(1,0) と E2=(0,1) の1次結合で表すこと
     ができる
     これから、R2 のn個のベクトルにおいて、
     n>2であれば、常に1次従属になる

ベクトルの1次独立な最大個数

    ベクトル空間V内の、部分集合X={v1、、、vN}において
    (1) Xの中にr個の1次独立なベクトルがある
    (2) Xの中から、r+1個のベクトルを選ぶと、
    1次従属になる時、rを、
    「Xのベクトルの1次独立な最大個数」
    という。

定理4.3.1
   ベクトル空間の元の2つの組 u1、、、uM と
    v1、、、vN に対し、
   v1、、、vN が u1、、、uM の1次結合で書けるならば
   v1、、、vNの1次独立な最大個数kと、
   u1、、、uM の1次独立な最大個数r では、
   k≦r である。
   証明
     u1、、、uM は、番号を付け替えてもよいので
     u1、、、ur を、1次独立に選ぶことが出来る
     定理4.2.2より、u r+1、、、uM は、
     u1、、、urの1次結合で書ける
     v1、、、vN は、u1、、、uM の1次結合で書けるので
     u1、、、urの1次結合で書けることを意味する。
     v1、、、vNの中で、k個が1次独立とすると、
     定理4.2.3に当てはめると、v1、、、vkが1次独立であり
     u1、、、urの1次結合で書けるから
     k≦r
   //