墓所の虫

.    「新版 量子論の基礎」と「量子情報と時空の物理」をベースに書いていますが、間違いをよくやります。まず眉にツバをつけてw

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私は言葉の使い方が下手なので、おかしいと思う文章は式に合わせてお読み下さい。
尚、新理論や独自理論を唱えるつもりはありませんが、アイデアの提案はしています。


ベルの不等式-計算1(新版 量子論の基礎より)

清水明「新版 量子論の基礎」§8ベルの不等式 より

1.遠く離れた2地点での実験

 測定する物理量は、2値量とし、-1と+1に単位を合わす。
 測定器の「設定」を、A地点ではθ B地点ではφ とし、
 いろいろ変えて、測定する
 Aθ=a1,a2,,,,aN
 Bφ=b1,b2,,,,bN
 という測定値が得られる。
 で、もう一組、A地点ではθ' B地点ではφ' として、測定する
 Aθ'=、、、
 Bφ'=、、、

2.A地点とB地点のデータの相関

 単純に言えば、平均<A・B>を計算すればよい
統計学でいう「相関」とは、ちょっと違うが、物理の方では、これもよく使う)
 例として、
 バラバラ(相関なし)
 <A・B>=0
 完全一致
 <A・B>=1
 完全反対
 <A・B>=-1

3.真ん中の地点から、鯛焼きの頭と尻尾を、適当に放る場合

 測定値を「頭が食べたい時、食べたい方が飛んできたら」1
   そうでなければ-1
 と記録する。
 確率は50%であるが、A地点とB地点のデータの相関<A・B>は、1(100%)
 補足すると、上記は、たまたま、A地点とB地点で「食べたい方」が逆の場合です
 (「たまたま」というのは、相談しないが前提なので)
 A地点とB地点で、たまたま、「食べたい方」が同じだったら<A・B>は
 -1です。
 で、もう一組、「XXXが食べたい時、食べたい方が飛んできたら」1
 そうでなければ-1 のデータを採ります。
 相談しないが前提なので、条件が一致する保証は、ありません。

 しかし、完全一致か完全反対しかないので<Aθ・Bφ>、<Aθ'・Bφ'>は、
 -1か+1の値を取ります。

5.この本では「局所実在論」と比較するため、
  状態が実在であるために必要な「隠れた変数λ」を
  導入してますが、私としては「鯛焼き」と違うことを示せば十分なので、
  とばします。

6.ベルの不等式

 {<Aθ Bφ>+<Aθ' Bφ>}-{<Aθ Bφ'>+<Aθ' Bφ'>}≡C

 です。
 ベルが「ころころ変えた場合の相関が、はっきりでる」よう、
 一生懸命考えたのだと思います。
 注目すべきは<Aθ' Bφ>ともう一つの項で、対応しない測定値グループ
 での相関です。

 鯛焼きの場合<Aθ Bφ><Aθ'・Bφ'><Aθ・Bφ'><Aθ'・Bφ> を
 すべての組み合わせで計算すると、-2~+2の間の値をとります。
 たまたま、θ=1 θ'-1 φ=1 φ'=-1 ならば、2です。

 また、スピンが測定してないだけで、↑か↓既に決まっている場合も
 同じことが言え、 -2~+2の間の値をとります。

7.真ん中の地点から「上下のスピンの重ね合わせになっている」
  Entangledな電子を飛ばす

 簡単にするため離散スペクトルの場合だけ考えます。
 ボルンの確率規則より
 確率p(a,b)=||a,b><a,b|ψ>|2=<ψ||a><a||b><b|ψ>
 <A B>=Σ[a,b]abp(a,b)=Σ[a,b]<ψ|a|a><a|b|b><b|ψ>
    =<ψ|AB^|ψ>
 で、通常は、テンソル積で計算するところを、この本の通りに計算します。

 「月にa=+1、地球にb=-1」という状態↑と
 「月にa=-1、地球にb=+1」という状態↓とし、
 その重ね合わせを
 |ψ>=(|↑,↓ > - |↓,↑> ) / √2 とします。

 つづく、、、