墓所の虫

.    「新版 量子論の基礎」と「量子情報と時空の物理」をベースに書いていますが、間違いをよくやります。まず眉にツバをつけてw

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大学教育は危機に瀕しています! 


私は言葉の使い方が下手なので、おかしいと思う文章は式に合わせてお読み下さい。
尚、新理論や独自理論を唱えるつもりはありませんが、アイデアの提案はしています。


3.経路積分 突撃開始!

ファインマン核の経路積分表現を導出します。

  タネ本は、森藤正人「量子波のダイナミクス」です。
  内容は、とね日記さん: http://blog.goo.ne.jp/ktonegaw/e/20dea8ac600f55f0c79934c6342e8c5c
  を見てください。

1.まず、Hが時間に依存しない場合、時間発展演算子が、U(t)=exp(H t/ih) と書けることの証明
      ( 清水明「新版 量子論の基礎」p184 参照)
    U(t)の定義は、

           |ψ(t) > = U(t)|ψ(0) >         このU(t)は、「状態ベクトルのシュレーディンガ方程式」を満たす
    証明: i h' {∂/∂t}U(t)-H U(t) = 0 とおき、
       左辺に右から|ψ(0) > を掛ければ、
       i h' {∂/∂t-H}U(t)|ψ(0) >
       = i h' {∂/∂t-H}U(t)|ψ(0) > = i h' {∂/∂t-H}|ψ(t) >
       = 0      //
    つまり、

    https://rhcpf907.sakura.ne.jp/fml2tex/?式 i \hbar {∂ \over{∂t}}U(t)={H U(t)}

    である。
      これを解くための初期条件は、U(t)の定義式で、 |ψ(0) > = U(t)|ψ(0) > と置くことにより

    https://rhcpf907.sakura.ne.jp/fml2tex/?式 U(0)=1

    形式的に、i hbar {∂/∂t}U(t)= H U(t)とおけば、目視でとけて、U(t)=exp(Ht/ih)
    (expの中に演算子があるが、これについては、「新版 量子論の基礎」p59の「演算子の関数」を参照)

    したがって、t0からtまでの時間間隔に対するUは、             https://rhcpf907.sakura.ne.jp/fml2tex/?式 U(t-t0)=e^{ H(t-t0)/ih}

    となる。

2.ファインマン核を、TとVで表現する (H=運動エネルギー演算子T + ポテンシャルV)

    t0からtまでの時間間隔をN個の微小な区間εに分割すると、1より、

    https://rhcpf907.sakura.ne.jp/fml2tex/?式 U(t-t0)=e^{(T+V)εN/ih}={(e^{(T+V)ε/ih})}^N

    となる。T と V は、交換しないことに注意
    この場合、exp(Tε)exp(Vε)=exp(Tε+Vε+[T V]ε2 /2) が成り立つ( [ ]は交換子。結果がc数の場合)
    証明は、省略( タネ本「量子波のダイナミクス」p41 にある)
    で、εが十分小さいなら、          https://rhcpf907.sakura.ne.jp/fml2tex/?式 U(t-t0)=¥lim_{N→∞}{(e^{Tε/ih})}^N{(e^{Vε/ih})}^N

    したがって、K(x、t)=<x|U(t、t0)|x0> より、

    https://rhcpf907.sakura.ne.jp/fml2tex/?式 K(t-t0)=¥lim_{N→∞}<x|{(e^{Tε/ih})}^N{(e^{Vε/ih})}^N|x0>

    となる。

とりあえず、今日は、ここまで。
あと、2ページで、ファインマン核の経路積分表現ができるんだけど、この2ページが難関だなぁ、、、

尚、上記では、H(x)つまり、Hの中のポテンシャルが時間に依存しないと仮定していますが、これは本のままです
H(x、t)の場合、ちゃんと書くと、

   https://rhcpf907.sakura.ne.jp/fml2tex/?式 U(t)=\vec{T} exp(∫_0^t H(t1)dt1 / i\hbar)

です。( vec{T} は、時間順序積)
詳しくは、清水明「新版 量子論の基礎」p187 参照