波動関数が非局所的と言うのはおかしい(状態ベクトルの射影)
波動関数ψ(q)は、物理量Qの固有空間を { |q>}とすると、
ψ(q)|q> = |q><q|ψ>
で定義されます。
つまり、状態ベクトルをQの固有空間へ射影したものです。
そして、状態ベクトルは、シュレーディンガ方程式:
ih'd/dt |ψ>=H |ψ>
に従って、時間発展するとします(清水明「新版量子論の基礎」要請4)
物理量が位置xである時、その波動関数ψ(x, t)は、
ψ(x, t)|x> = |x><x|ψ>
となり、
x1とx2 が、空間的にどんなに離れていても
ψ(x1, t)|x1>とψ(x2, t)|x2>は、状態ベクトルの変化と同時に
それぞれ瞬間で定まります。
でもこれは、強い光によってできた遠く離れた壁の光点が
「超光速」で移動するのを、
「壁の光点は非局所的である」と言わないように
「波動関数は非局所的である」と言うのはおかしいです。
相対論的量子力学で、波動関数から、d
この値は、光速度を越えません。
これは、普通の量子力学と異なり、内積に計量テンソルが付き、
diag(-+++) だからです。
上記は、シュレーディンガ方程式による状態のユニタリ発展の場合
でしたが、測定による非ユニタリ発展=状態の収縮 の場合
も、同じことで
x1とx2 が、空間的にどんなに離れていても
ψ(x1, t)|x1>とψ(x2, t)|x2>は、状態ベクトルの変化と同時に
それぞれ瞬間で定まります。
これを、上記と同様「波動関数は非局所的」と言うのがおかしいように
「状態の収縮は非局所的」と言うのはおかしいです。