整数のデルタ超関数による表現(デルタ整数)
実数x軸上の数の密度分布f(x)を考えます。
x軸上の数a の位置では、f(x-a)は∞、他の場所ではf(x)=0
で、x軸上の数a は1個ですから、∫f(x)dx = 1
なので、数a 密度分布のは、デルタ超関数δ(x-a) に一致します。
また、超関数δ(x-a)から見て存在する場所は、aの1点だけですから、全単射です
したがって、実数x内の任意の数aは、デルタ関数δ(x-a)と同一視できます。
1.デルタ整数の定義
整数の公理は
1. φは、Z上の全単射写像である.
2. M⊂Z かつ φ(M)=Mならば M=Z である.
3. Z は無限集合である.
です。
(ペアノの公理で +1 の操作にあたるのが φ)
ここで、δ(x- n) x∈R に対し、n∈Z とすれば、
実数x上の整数nも、デルタ関数δ(x-n)と同一視できるので
整数nに対し、δ(x-n) を、 「デルタ整数」
と呼ぶことにします。
また、実数x上の自然数Nの集合は、Σn=1 δ(x-n)
として1つの式で表せます。
実数x上のZの集合も、Σn=1 δ(x-n)+δ(x-0)+Σ_n=-1^-∞ δ(x-n)
として1つの式で表せます。
2.波整数の定義(デルタ整数のフーリエ変換)
超関数δ(x-a)と、フーリエ変換との関係は
δ(x-a)=1/(√2π)∫_{-∞}^{+∞} exp(i P(x-a) ) dP
x∈R,P∈R,a∈Z
です。(以降、係数1/(√2π) と積分範囲は省略します)
これを、δ(x-a)=∫exp(i P(-a) ) exp(i Px) dP
と書くと、
δ(x-a)=exp(i P(-a) )のフーリエ逆変換。
exp(i P(-a) ) は、δ(x-a) のフーリエ変換
という関係があります。
ここで、積:exp(-i P a)exp(-i P b)を考えると
=∫δ(x-a)exp(-i Px) dx∫δ(x-b)exp(-i Px) dx なので
x=0と置くと、exp(-i Pb)とexp(-i Pa) の直交が示せるので
整数δ(x-a)に対し、exp(-i P a)は全単射となり
exp(-i P a)が整数の公理を満たすことが、示せます。
デルタ整数δ(x-a)に対する、このexp(-i P a) P∈R,a∈Z
を 波整数 と呼ぶことにします。