波動関数のψ*ψのエントロピーという謎計算
古典エントロピーSは、確率をPとすると
エントロピーS=情報量の系での平均値 (ただし情報量=log(1/P) = -logP )
=-∫PlogP
です。
純粋状態で、確率を考えると、純粋状態|ψ>の系全体でのSは、
P=<ψ|ψ>=1 したがって、
S=0
つまり、純粋状態のエントロピーは、|ψ>をどんな基底で表しても、同じ 0
しかし、測定基底に対応する固有状態は、
離散固有値系の場合、ある確率を持つ
(連続固有値系の場合は、ある確率密度)ので、その意味でエントロピーが
定義できます。
計算すると、
離散固有値系の固有状態の|a>での確率は、Pa=<ψ|a><a|ψ>
S=-Σa <ψ|a><a|ψ>log( <ψ|a><a|ψ> )
=-Σa f(a)*f(a)log( f(a)*f(a) )
=-Σn Pnlog(Pn )
ここで、対角項が Pnlog(Pn )である密度行列ρを考えると、
=-Tr(ρlogρ)
連続固有値系の場合の確率密度=ψ*ψ=<ψ|q><q|ψ> では、
確率密度・Δq=ψ(q)*ψ(q)Δq=確率 と考えれば、
S=-Σ ψ*ψΔq log(ψ*ψΔq)
=-Σ { ψ*ψ log(ψ*ψ)Δq+ψ*ψΔq logΔq}
=-∫dq ψ*ψ log(ψ*ψ) -∫dq ψ*ψ log dq
ここで dq=exp(da) と置くと、第2項は、
∫exp(da) ψ*ψ da=∫1 ψ*ψ da=1
S=-∫dq ψ*ψ log(ψ*ψ) +1
エントロピーの定数は意味がないので、
=-∫dq ψ*ψ log(ψ*ψ)
=-∫dq P(q)log(P(q) )
ここで、対角項が P(q)log(P(q) )である密度行列ρ(無限次元)を考えると、
=-Tr(ρlogρ)
∴ 上記は、フォンノイマン・エントロピー「-Tr(ρlogρ)」に一致します。
でも、この計算で出てくる「エントロピー」って何を意味するのでしょう???